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「現在から振り返ると、ボーアの仕事はそれを受け継ぎ発展させた後輩たちの仕事の下に埋もれてしまったように感じる。だが、もっとも困難な過渡期の基礎的な仕事をボーアがなしとげたからこそ、その後のはなばなしい発展があったのである。…ひとつの新しい分野をきりひらいたボーアの模索のプロセスから学び、その業績を改めて見直すことは今、意義深いことだと思う」(「訳者あとがき」より)
1885年、デンマークに生まれ育ったボーアは
弟のハラルとともに高校に入ると天才振りを発揮。
大学を卒業後、放射能研究の第一人者ラザフォードに師事しつつ、
独自に思考を重ね、「ボーアの原子モデル」を考案し
1922年、ノーベル物理学賞を受賞。
ここに量子力学の扉が開かれます。
時を同じくして若きハイゼンベルク、パウリ、
シュレーディンガー、ディラックといった
天才物理学者が出現し、彼らとの議論を通して
現代の量子力学の基礎が築かれていきます。
アインシュタインと論争をくり返し、
ユダヤ人への弾圧から多くの研究者を援助し、
また軍拡競争を予見したりと、現代物理学を牽引した
科学者であり思想家であった偉人の生涯を解説。
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