永遠でないほうの火

新鋭短歌

永遠でないほうの火

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出版社
書肆侃侃房
著者名
井上法子 , 東直子
価格
1,870円(本体1,700円+税)
発行年月
2016年6月
判型
B6
ISBN
9784863852235

【言葉が奏でる究極の結晶】

とうめいな水の底に光る幻影は、

深い祈りが集めた光なのだと思う。

(東 直子)



[自選短歌五首]

どんなにか疲れただろうたましいを支えつづけてその観覧車



月を洗えば月のにおいにさいなまれ夏のすべての雨うつくしい



煮えたぎる鍋を見すえて だいじょうぶ これは永遠でないほうの火



ふいに雨 そう、運命はつまずいて、翡翠のようにかみさまはひとり



ぼくを呼んでごらんよ花の、灯のもとに尊くてもかならず逢いに行くさ

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