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昔話が注目され蒐集が始まるのは『遠野物語』(1910年)を起点として,一般には1930年代以降である。とくに70年代以降には民間伝承の急速な衰えに危機感を抱き,伝承の実態を整理して示そうとする多くの企画が展開した。
一年の三分の一が雪に閉じ込められている豪雪地帯新潟県中越地方は,わが国でも昔話が豊富な地域として知られる。1970年代以前には,共同体や家庭の中で生きていた「昔話の語り」が,生活の一部であった時代はすでに過去のものとなった。しかし本書は新潟大学の学生たちが2010年から14年の5年間にわたり,新潟県長岡市小国町を訪ねて,今日でも語りの命脈を保っていた三人による「昔話の語り」36話を,その豊かな方言を含めて忠実に聞き取った記録をもとに構想された。それぞれの話の特徴,伝承状況とともにその語りの特徴を検討し,さらに小国地方の歴史や民俗など昔話の背景を検討することにより,人々の細やかな生活感情や風俗習慣など失われた伝統社会に光を当てる。また中国や韓国,ヨーロッパの昔話との関連に言及し,新たな研究の可能性が示された。
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