取り寄せ不可
80年代――僕も時代も思春期だった。アメリカとソビエトは冷戦状態にあり、ドイツには壁があった。僕も時代も緊張していたし、成熟には程遠かった。そんな時に出逢ったのが、君だった。君から教えてもらったのは、僕になにが欠けているのかということだった。君が求めているものをさしだすために、僕がなにをすべきか、僕はようやく考えることができたんだ。その時、世界が僕をふりむいた。青い春が散り、僕は君の手をとって歩きはじめる。
遠い記憶をたどりながら語られる、昨日みた夢のような甘く切ない恋愛小説。
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