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町の景色と人の思いを見事に描く傑作短篇集
「いちばん前の席があいた。となりのおじいさんは、いそいで移動して、椅子によじのぼった。男のひとは、いつまでもあの席が好きでおかしい」(本書より)。
路線バスには、ほかの乗り物にはない、ゆっくりとした時間が流れている。自分もバスに乗って、車窓からの風景を眺めながら、自分の人生に思いを巡らせてみたくなる20篇。人気画家・牧野伊三夫の挿絵も物語の雰囲気を盛り上げる。
解説は、小説家の戌井昭人。
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