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国家誕生以前の古代において、越境的な交易関係は、文化の異なる地域や集団間でどのようにして結ばれ、いかに社会変容をもたらしてきたか。王権や国家間の外交史として語られがちな国際交易を、首長層ネットワークと威信財となったモノの動き、「海商の誕生」、東アジア海域での連鎖的で広域的な社会関係、唐物が偏重された背景などから探り、弥生時代からはじまる多様でグローバルな交易の実態を通史的に明らかにする。
〈目次〉
プロローグ──交易史から国際交流を考える
1 東アジア海域交易圏と倭人の首長たち
1 東アジア海域交流・交易圏をさかのぼる
2 帯方郡から邪馬台国へ
3 卑弥呼の交易
4 倭人の首長と国際交易
2 対外戦争と国際交易
1 緊迫する東アジア海域と北部九州
2 軍事と交易
3 律令国家の成立と国際交易
1 隋・唐帝国の登場と列島の南北交易
2 整理さる「内」と「外」
3 国際交易を管理する
4 交易にあらわる中心と周縁
4 海商の時代の到来
1 海商の萌芽
2 日本で活動をはじめた新羅の交易者たち
3 帰化人か漂流者か、それとも商人か
5 唐物を求める政治
1 張宝高と文室宮田麻呂
2 皇位継承と唐物
3 唐物使の登場と太宰府
6 中国と日本を結んだ商人たち
1 在唐新羅人の交易ネットワーク
2 江南海商の対日交易
3 唐滅亡と日本の交易管理の行方
7 交易がつなぐ人と地域
1 交易港と交易港の間
2 交易者と仏教
3 交易列島の南・北
4 異文化間の交易者たち
エピローグ──中心と周縁の列島交易史
参考文献
あとがき
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