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日本の中世に暗躍した「怪しいもの」とは何者か。山伏、占い師、ばくち打ち、勧進聖……。神仏の威光を利用した彼らの活動は多様であり、心の平安を与える方法は多岐にわたる。一見すると詐欺のようにも思えるが、殺伐とした環境に置かれた人々に夢見る喜びを感じさせ、人間らしい感情や希望、未来について考える機会を与えていたのだ。中世の「宗教」の果たした知られざる効用を、豊富な事例から解き明かす新しい中世史。
〈目次〉
はじめに
第一章 中世の博打
身ぐるみはがれた姿/天竺冠者事件/『古今著聞集』の天竺冠者/博打の聟入り/甲子のお祈り/親王を騙る/平泉の姫宮/文覚の書状/大山の王子と平泉の姫宮/博打と山伏/山伏・鋳物師・遊女
第二章 夢みる人々
夢の力/夢語り共同体/摂関家の浮沈/清盛のクーデター/木曽義仲と松殿基房/源義経の登場/九条家の夢/占筮と夢/近衛基通と後白河院/和漢の藤と松/日輪を抱く兼実/死相をみる/霊魂の評価/九条家と中原家/大地震と夢/正夢と偽夢/頼朝追討と夢/ついに摂政・氏長者に
第三章 勧進の時代
罪にはよも候はじ/永観と念仏信仰/来迎・往生・救済/永観の出挙/財貨・福・徳/東大寺別当としての永観/算をおく人/東大寺大勧進/天狗にさらわれる/周防国の経営/平等の感覚/多様な信仰/東大寺との対立/救済の欺瞞/中原師員と専修念仏
第四章 異形の親王
家族の辺境・家庭の境界領域/以仁王と八条院/以仁王の死/以仁王生存説/北陸宮/土御門天皇の系譜/以仁王の姫宮/姫宮と春華門院/包囲される姫宮/親王・内親王/母系から父系へ/待賢門院と叔父子/皇子女の立場/平清盛の落胤説
第五章 法勝寺執行の系譜
六勝寺の造営/法勝寺の組織/御願寺の執行/政経・増覚・信縁/俊寛/信西の息子静賢/後白河院側近としての静賢/法勝寺執行静賢/脳円/章玄と九重塔/章玄と能円/尊長/承久の乱と尊長/潜伏する尊長/京都における捕縛/北条義時毒殺説/怨霊の出現/その後の法勝寺執行
おわりに
参考文献
あとがき
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