日本人に馴染みのあるラテンアメリカ企業は、どのような会社であろうか。日頃新聞や雑誌を読めば、ブラジルの国営石油会社ペトロブラスや航空機メーカーのエンブラエル、世界一の富豪カルロス・スリムが所有するメキシコの通信大手アメリカ・モビレなどの名前を見る。しかしラテンアメリカ企業社会全体に目を向けると、これらの企業はごく一部分でしかない。売り上げ規模は大きくとも、企業数でみればごくわずかである。さらにいうと、現在の大企業も、そのほとんどは創業当初の規模の小さい段階から徐々に成長し、今の姿にいたる。つまりラテンアメリカ企業を理解するためには、中小企業を抜きには語れない。
ジェトロ・アジア経済研究所では、3人のラテンアメリカ研究者がそれぞれの専門性を生かし、「ラテンアメリカの中小企業」という本を出版した。同書は、ラテンアメリカにおける中小企業の特徴や位置づけ、産業クラスター、企業文化、政策の各テーマで同地域の中小企業を分析し、中小企業の成長要因を個別企業のケーススタディをもとに考察している。ラテンアメリカ地域に関心の学術関係者に加え、ビジネス関係者にも是非ご一読いただきたい。
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