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国務長官ジョン・フォスターとCIA長官アレンのダレス兄弟は、冷戦ピーク期のアメリカ外交を表裏一体となって主導した。世界に親米か親ソかの二者択一を迫り、ソ連傾斜の兆しを見つけ出すや、阿吽の呼吸でこれを叩き潰す〝秘密の戦争〟を仕掛けた。イラン、グアテマラ、ベトナム、インドネシア、コンゴ、キューバ。兄弟の標的となった国々は、結果、悲惨な戦争に突入し、果てしない暴力のスパイラルに落ち込んだ。このとき芽生えた反米感情は新たな脅威の火種となった。50カ国以上をカバーしたベテラン・ジャーナリストが、エリート中のエリートたるダレス兄弟の来歴を詳述。その徹底した善悪二元論と国益追求の由来を解き明かし、そこに映し出されたアメリカの行動原理に鋭い批評を加えた圧巻の評伝。
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