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「脱殻・粉砕」―それは人類が生命を維持するための知恵。
縄文時代、1万年以上にわたる期間に、人々は自然環境の変化に適応しながら、多種多様な道具が生み出し、改良してきた。縄文人がこれらの道具を使い、堅果類や根菜類を高度に利用していたことはよく語られている。しかしながら、脱殻や粉砕といった食料化のための技術についての議論は漠然としているのが現状だ。脱殻・粉砕に関わる礫石器は、華やかな研究がなされる剥片石器同様、縄文の遺跡から出土するメジャーな石器。本当の縄文文化の特質の理解のためには、これを理解することが重要だ。
本書では、日本列島各地の調査と民俗学的・自然科学的研究を含めた使用痕観察、実験などの多角的な手法から縄文文化の特質の追究に挑み、新たな縄文食文化論を提起する。
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