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1970年11月、市ヶ谷台に赴く三島由紀夫は、手紙と写真、そして決死の『檄』を二人の新聞記者に託した。三島の最後の姿をバルコニーの下から見つめ、演説内容のメモを続けた著者が、そのうちの一人だった。
なぜ三島は『檄』を著者に託したのか。雑誌記者と、時代を象徴した戦後を代表する作家・三島。二人の3年半に及ぶ交友の中で、三島はいかなる存在として立ち現れたのか。「あの時」から四半世紀を経て、世の喧騒から逃れ、戦中派作家としての心の変遷と戦後を描いた三島由紀夫論。新潮学芸賞受賞作!
【目次】
第一章 死者と対話するように
第二章 初の体験入隊
第三章 「四年待つた」とは?
第四章 バンコクで再会
第五章 プールサイドの会話
第六章 『和漢朗詠集』の一句
第七章 林房雄にからむ謎
第八章 いつ死ぬ覚悟を?
第九章 その前夜まで
第十章 十一月二十五日
第十一章 死後
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