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ベトナム戦争で民間人になされた、アメリカの戦争犯罪の驚くべき実態。アメリカ人はこれまで、ミライ(ソンミ村)虐殺のような残虐な事件は逸脱であり、ごく例外的な出来事だったと教えられてきた。しかし現実には、あの戦争を通じてベトナムの非戦闘員に加えられた暴力はけっして例外的なものではなく、むしろ、“動く者はすべて殺せ”という命令の下に遂行された、広汎かつ組織的な作戦だった。
国立公文書館資料の粘り強い調査や、事件にかかわった帰還兵や内部告発者、さらにベトナムの生き残り当事者へのインタビューによって、アメリカ軍と政府の政策がどれだけ多くのベトナムの無辜の住民を殺し傷つけたかを、初めて明らかにした。ショッキングな戦闘の詳細を通じて、アメリカ軍のほぼすべての部隊が、恐るべき戦争機械として避けがたく作動していたことがわかる。
本書が2013年にアメリカで刊行されるや、「パラダイムシフトを迫る画期的な戦争史」「ベトナム戦争について書かれた最も重要な本」等々と各紙誌で絶賛され、優れた調査報道に贈られるライデナワー賞を受賞した。戦後70年の節目に安保関連法案が可決されようとしている日本においても、戦争によって実際に何が起こるのか、きわめて示唆に富む一冊である。
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