浦上の原爆の語り

浦上の原爆の語り

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出版社
未来社
著者名
四條知恵
価格
2,750円(本体2,500円+税)
発行年月
2015年8月
判型
B6
ISBN
9784624411015

「浦上のカトリック教徒が、この70年間、どのように原爆を語ってきたのかを辿ることは、吹き荒れた暴力のあとで、どのように人びとが生きる意味を見出してきたかの軌跡でもある。」(本文より)

長崎における原爆被害を象徴する存在である浦上のカトリック教界の原爆の語りを対象に、語りの意味とその変容を提示する。永井隆の燔祭説の受容に着目し、史料批判および「実証性」に沿って、当時の視点を再構成。集団のなかで語りは、どのようにせめぎあい、いかなる理由で変容していくのか。また、どのような意味と力を与えてきたのか。
目次
第一章 歴史の語りを繙く
 歴史叙述についての先行研究
 歴史の物語論に対する批判
 原爆被害についての先行研究
 浦上の原爆の語り

第二章 浦上と永井隆
 一 「浦上」
  浦上の歴史と原爆被害/浦上と差別
 二 永井隆の燔祭説
  永井隆の足跡/永井隆の燔祭説
 三 永井隆の燔祭説をめぐる論争
  一九五〇年代から七〇年代/一九八〇年代以降/燔祭説をめぐる論争の問題点

第三章 焦点化する永井隆
 一 占領期の長崎における原爆の語り
  原爆投下後から占領軍による検閲開始までの変遷/永井隆の登場/「ピース・フロム・ナガサキ」の発祥と国際文化都市建設の礎論/朝鮮戦争の勃発による反動
 二 焦点化する永井隆
  占領軍との親和性/占領期の長崎における燔祭説の位置

第四章 永井隆からローマ教皇へ――純心女子学園をめぐる原爆の語り
 一 純心の沿革と学校の被害
 二 純心女子学園をめぐる原爆の語り
  一九四五(昭和二〇)年から一九六一(昭和三六)年まで/一九六一(昭和三六)年以降/ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の来日と恵の丘長崎原爆ホーム/一九八一(昭和五六)年以降の純心女子学園における原爆の語り
 三 二つの語りが意味するもの

第五章 浦上の原爆の語り
 一 占領期
 二 ローマ教皇庁と日本のカトリック教会の動向
 三 浦上のひび
 四 長崎における原爆被害をめぐる行政と市民活動の流れ
 五 原水爆禁止運動とカトリック教界
 六 カトリック地域共同体の変容
 七 ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世の来訪
 八 カトリック教界への波紋
  日本のカトリック教界/長崎のカトリック教界

結 び

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