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中国の動向が世界の耳目を集めている。耳目を集める理由は、アメリカに次ぐ世界第2位の経済力を備えたことによるだけではなく、急速に強化された軍事力を背景に、アジアを中心に従来の国際秩序の変更をめざす外交を展開していることによる。「大国中国」の台頭を目撃した世界は、当然その台頭の行方を問わずにはいられない。一方で、中国に関しては、環境汚染、格差拡大、少数民族や民衆の抗議活動の急増など、深刻な問題が「大国中国」の陰の部分として報じられることも多い。そして、こうした陰ゆえに中国の崩壊が近いとの議論を展開する向きもある。つまるところ中国はどこへ向かおうとしているのか?本書は、この問いに、主として経済分野の分析を通じて迫ろうとする試みである。
あらかじめお断りしておきたいのは、筆者の力量不足から、読者が想定されるであろう多くの問題の分析を割愛せざるを得ないことである。本書では、習近平政権の行方を占ううえで逸することができないと思われる問題に絞って分析を進めたい。
こうした意図のもと、全体の構成は以下のようなものとなる。まず序章で、江沢民政権(1989年6月~2002年11月:総書記在任期間)、胡錦濤政権(2002年11月~2012年11月:同上)との比較を意識しつつ、習政権をみるうえでのポイントの提示を試みる。続く各論では、中国経済の現況と中長期的課題を確認し(第1章)、その課題に応えようとする習政権の全体的改革・開放プランを中国共産党第 18 期中央委員会第 3 回全体会議の決定(2013 年 11 月採択)を中心に整理する(第2章)。つぎに、対外開放政策について、中国経済と国際経済の変化をふまえて分析する(第3 章)。以上の諸章における筆者の分析軸は、「改革と開放の連動(とその復活)」である。つづいては、中国の経済・社会の中長期的趨勢を決めることになる都市化戦略について、農村発展戦略と関連づけつつ検討し(第4章)、習政権として初の自前の経済発展計画となる第13次5カ年長期計画(2016~202 年)について、その策定状況をサーベイする(第5章)。そして、最後に、以上の分析をふまえて習政権の行方と日中関係の今後の展望を試みる(終章)。
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