西脇順三郎研究資料集 第４巻～第６巻

この度『西脇順三郎研究資料集』２０１１年１１月刊行に引き続き、第２回配本として同資料集の４～６巻を刊行します。昨年（２０１４年）早々に６度目のノーベル文学賞候補にノミネートされていたニュースが流れたり、同年に生誕１２０年を迎え、慶應義塾大学アートセンターでは安藤礼二氏による講演会がなされたり、郷土小千谷では諏訪哲史氏による講演会や、これに次いでシンポジウムが開催される（小千谷での催しは２０１５年４月刊の西脇を特集した『現代詩手帖』で紹介）など、ここ数年、詩人としての関心を主とした西脇順三郎への注目度が高まっています。昨年には西脇を特集した雑誌『こころ』や、小中学生のための『西脇順三郎物語』（小千谷市教育委員会）が、今年に入って『２１世紀の西脇順三郎　今語り継ぐ詩的冒険』（小社刊）が刊行されています。
　こうした西脇順三郎への興味、関心が高まっている時期に、この資料集を刊行することの意義は、難解な詩や詩論、言語学研究などで知られている西脇順三郎の世界に、少しずつ接近していただきたいということであります。事実、この度の全集未収録資料を中心に刊行した資料集には、生活面から始まって、創作面、研究業績面での西脇順三郎の実像が分かり易く伝わってくるものが多く収載されています。２１世紀を生き延びる詩人、言語学者のエッセンスを理解するためにも欠かせない資料集になることを願って第２回配本を刊行する次第です。（刊行にあたってより）