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謎の光が人を襲い、人は狂気に至るという怪事件が江戸で頻発。そして、半四郎の国許を焼き尽くし江戸に向かう紅蓮の炎の正体とは? 「2015年版この時代小説がすごい!」(宝島社)文庫書き下ろし部門第5位、目利き絶賛の好評シリーズ。
「2015年版この時代小説がすごい!」(宝島社)文庫書き下ろし部門第5位、目利き絶賛の好評シリーズ、第5巻。
謎の光が人を襲い、その者は狂気に至るという怪事件が江戸で頻発する。半四郎はその謎の力を相手に、秘太刀「浮舟」でなんとか退ける。その怪異の正体は「通悪魔」だ、と聊異斎は言う。
年貢を納めず罰せられた貧しい百姓一家。父不在の間に、母娘は一日厳寒の屋外に晒され母は娘を守って死んだ。酒に溺れる父の元を娘は見切り江戸に旅立つ。しかし娘は自分を傷つける者を、自分の知らずまま凍りづけにして殺めてしまう能力を身につけてしまっていた。氷付けの行き倒れが相次いで発見され、娘はついに発見される。しかし半四郎は娘を懲らしめる気持ちにはならなかった……。
聊異斎と捨吉は江戸を離れたという。なにやら不穏な動きではあるが、気にしても仕様がないと、半四郎は稽古に励む。一度破れた秘太刀『浮舟』を越える太刀筋はあるのか? 半四郎は奇妙な影の襲来を受ける。咄嗟に半四郎は『浦陰』の太刀を繰り出すことができた。
半四郎の国許、東雲藩では、半四郎に可愛い孫を再起不能させられ怒り収まらぬ大婆がいた。しかし大婆の横暴は、ついには藩主からも疎んじられるようになる。没落した浦山家で腐臭を放つ孫の面倒役まで落ちぶれた大婆の執念は最高潮となり大婆は火そのものとなった。それは孫を焼き、屋敷を焼き、街を焼き、半四郎のいる江戸に火の塊は向かった。老人と子供は、半四郎を江戸におき修験者儀界坊を伴い、東雲藩と江戸の間の地点でその炎を退治する。一連の怪異発生は、江戸だけではないと判断した聊異斎は、その調査のため半四郎と捨吉を伴い、旅にでる。
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