取り寄せ不可
B29が本土を爆撃し始めた太平洋戦争末期。飢えや焼夷弾の恐怖……戦時下のことは思い出すのも嫌だという著者が、プライベートな当時の日記を敢えて公開。容赦なく落とされる焼夷弾の脅威の中で、明日の命をも知れぬ非情な現実を前に、著者が見て感じて考えた事とは? 働く女性が見た太平洋戦争(解説・梯久美子)
爆弾がいつ落ちるか分からない中での通勤、空襲以上に深刻な食糧不足。わずかな食料で苦心工夫した手料理、命の危機にさらされながら心をどのように平穏に保っていたのか……生活評論家として活躍する吉沢久子の原点がここにある! 若き著者が率直に綴った貴重な記録。
昭和十九年十一月 銃後から戦争へ
初めての空襲警報
身ぎれいにしなければ
昭和十九年十二月 人気のない街
頭上ま上に、敵機が
空襲はイヤなお客さんのよう
除夜の鐘の代わりに待避半鐘
昭和二十年一月 空襲以上に深刻な食糧難
モンペ姿で竹槍訓練
ウィスキー一本が月給より高い
わずかな大根が一人三日分の野菜
昭和二十年二月 赤紙一枚で連れて行かれる男達
ついに一作さんも軍隊へ
新聞記事に一人噛みつく
男子駅員のユーモア
昭和二十年三月 爆弾で隣人が亡くなる日常
配給ほとんどなし
突然、下宿人との生活始まる
東京大空襲の日
商店街はまるで古道具市
昭和二十年四月 政府の無責任さに腹が立つ
無感動になった自分の頬をたたく
本を焼かれたくない
人の足元見て金儲け
闇買いで家計はめちゃくちゃ
昭和二十年五月 火の粉が降り注いだ夜
偉大な外交官がいてくれたら……
歯みがき粉のにおいがするビスケット
アメリカ人も同じ人間
辞書と針箱と紅茶の缶
昭和二十年六月 正確な情報がない中で
一番の贅沢は眠ること
敵は本土に上陸か?
昭和二十年七月 連日続く空襲警報
髪にシラミが
防空壕も水びたし
昭和二十年八月 原爆投下、そして終戦
広島に大型の新型爆弾
玉音放送に、街の人は
空襲がないとは何と嬉しいことか
解説 梯久美子
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