長いお別れ

長いお別れ

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出版社
文藝春秋
著者名
中島京子
価格
1,705円(本体1,550円+税)
発行年月
2015年5月
判型
B6
ISBN
9784163902654

帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。

妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をする――。



東家の大黒柱、東昇平はかつて区立中学の校長や公立図書館の館長をつとめたが、十年ほど前から認知症を患っている。長年連れ添った妻・曜子とふたり暮らし、娘が三人。孫もいる。



“少しずつ記憶をなくして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行く”といわれる認知症。ある言葉が予想もつかない別の言葉と入れ替わってしまう、迷子になって遊園地へまよいこむ、入れ歯の頻繁な紛失と出現、記憶の混濁--日々起きる不測の事態に右往左往するひとつの家族の姿を通じて、終末のひとつの幸福が描き出される。著者独特のやわらかなユーモアが光る傑作連作集。

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