伝説の指揮者フェレンツ・フリッチャイ

叢書・20世紀の芸術と文学

伝説の指揮者フェレンツ・フリッチャイ

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出版社
アルファベータブックス
著者名
フェレンツ・フリッチャイ , フリードリヒ・ヘルツフェルト , 野口剛夫
価格
3,520円(本体3,200円+税)
発行年月
2015年3月
判型
A5
ISBN
9784871983129

生誕100年・没後50年を経て、本邦初のフリッチャイの本。音楽に魂を捧げた指揮者。



フリッチャイのエッセイより

また、指揮者とはそもそもどうあるべきか、また将来私はどうあるべきかをよく考えてみた。指揮者とは独裁者でなくてはならないのだろうか? いや、決してそんなことはない! もし独裁者だったら、あまたの独裁者と同じ運命をたどることになる。百もの頭を持つ敵に打ち負かされてしまう。指揮者とは、その知識を音楽に翻訳でき、オーケストラの楽員たちと連帯感、仲間意識を築けてこそ存在しうるのだ。正反対な考えにも耳を傾け、彼らの先を行き、納得させ、味方につける。そのうえでこそオーケストラを意のままに操るだけでなく、協働による創造を成し遂げることができるのだ。指揮者は人々を自分のもとに統合するのではなく、オーケストラを真の友人として、作品へ導いていかねばならない…。

モーツァルトはこの世に生きた人々の中で、もっとも偉大な人の一人である。彼は、歌劇において言葉と演技は、音楽の優位の下に位置づけられなければならないと考えていて、歌劇を通じて、すべてを完全に表現することができた。

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