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直木賞作家桜木紫乃作品、初の映画化原作!
「かたちないもの」
笹野真理子は函館の神父・角田吾朗から「竹原基樹の納骨式に出席してほしい」という手紙を受け取る。
「海鳥の行方」
道報新聞釧路支社の新人記者・山岸里和は、釧路西港の防波堤で石崎という男と知り合う。「西港で釣り人転落死」の一報が入ったのはその一月後のことだった。
「起終点駅(ターミナル)」 映画化原作 表題作
鷲田完治が釧路で法律事務所を開いてから三十年が経った。国選の弁護だけを引き受ける鷲田にとって、椎名敦子三十歳の覚醒剤使用事件は、九月に入って最初の仕事だった。
「スクラップ・ロード」
飯島久彦は地元十勝の集落から初めて北海道大学に進学し、道内最大手・大洋銀行に内定した。片親で大手地銀に就職するのは、当時異例中の異例のことだった。
「たたかいにやぶれて咲けよ」
道東の短歌会を牽引してきた「恋多き」歌人・中田ミツの訃報が届いた。ミツにはかつて、孫ほどに歳の離れた男性の同居人がいたという。
(「潮風(かぜ)の家」
久保田千鶴子は札幌駅からバスで五時間揺られ、故郷の天塩に辿り着いた。三十年前、弟の正次はこの町で強盗殺人を犯し、拘留二日目に首をくくって死んだ。
【編集担当からのおすすめ情報】
「始まりも終わりも、ひとは一人。
だから二人がいとおしい。生きていることがいとおしい」
――桜木紫乃
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