取り寄せ不可
松井秀喜氏がユニフォームを脱いで3年、本書は引退後初の著書です。日本のプロ野球からメジャーリーグまで、ときに自身の経験を振り返り、ときに話題のトピックについて、松井氏ならではの野球論が展開されます。
たとえば、名将の誉れ高いヤンキースのトーリ監督については、こんなエピソードを明かします。〈忘れられないのは不振だった1年目の03年6月5日。「結果は出ていないけど、働きには満足している」と言ってくれた。そのうえで「少しベースに近づいてみたらどうだ」と。その日僕は言われた通りにし、二塁打3本に本塁打を放った〉
長嶋監督については、新人時代の練習で、〈(素振りで)いい振りができたときは、球を捉えるはずのポイントでピュッと短い音が出る。いい音を続けて出すのが大事で、そうなって初めて練習を終えることがえできた〉という。もっとも、ヤンキースに移ってからも、長嶋氏がニューヨークにやってきたときにも、「やるぞ」と声がかかり、バット2本を手にして5番街を歩いたときは、〈さすがにちょっと恥ずかしかった〉と振り返っています。
ほかに大谷翔平選手の二刀流や、ジーター、イチロー、落合博満、高橋由伸についての持論は実に読み応えがあります。
長嶋茂雄氏から「すべての野球選手、ファンに読んでほしい」と絶賛の言葉をいただいた通り、これぞ野球ファン必読の書でしょう。
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