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拍手もほとんどない中、その二人組は登場した。ひとりはギターを弾きながら歌い、もうひとりは黙々とダブル・ベースを弾きつづけた。二人とも男の子みたいな女の子だった。彼女たちの音楽は1986年のあの冬の中にあった――。消えゆくものと、冬の音楽をめぐる長篇小説。
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