昭和50年の食事で、その腹は引っ込む

講談社+α新書

昭和50年の食事で、その腹は引っ込む

取り寄せ不可

出版社
講談社
著者名
都築毅
価格
924円(本体840円+税)
発行年月
2015年1月
判型
新書
ISBN
9784062728843

和食の健康効果は、今や世界中の研究者が認めるところだ。中でも1975年に日本人の摂っていた食事が、ずば抜けて健康効果が高いことが、東北大学の実験によって判明した。10キロのダイエット効果。2割もの寿命延長。ガン、糖尿病、動脈硬化、認知症などリスクの大幅な減少。髪や肌のアンチエイジング効果……。純日本風の粗食ではなく、多少欧米化した1975年の食事こそが、人類史上最強の長寿ダイエット食なのだ。


日本は現在、世界一の長寿国であり、それをもたらしたのは食生活であることは間違いない。多くの海外研究者もそこに着目し、和食についてさまざまな研究を発表している。
しかし、「和食」の定義は、実にあいまいだ。日本が長寿になったのは最近であり、高度成長期以前の、白米と味噌を主体とした純粋な和食は、決して体にいいとはいえない。カロリーと塩分が多く、カルシウムとたんぱく質が足りないからだ。
日本は、1979年にオランダ、ノルウェーを追い抜いて以来、世界一の長寿国である。それを支えているのは「和食」であることは、世界中の研究者が着目している。
 しかし、「和食」はあまりに漠然とした概念だ。特に寿命が延びた戦後は、欧米化がいちじるしく、年代とともに「和食」も大きく変化している。
 これでは、いつの「和食」が最も体にいいのか、わからない。
そこで私たち東北大学の研究チームは、厚生労働省の資料をもとに、1960年から2005年までの日本人の食事を、年によって比較する実験を行った。そして、最も健康効果が高く、老化を抑制し、長い寿命をもたらすのは、1975年の食事であるという結論を得たのだ。しかもそれは、一番肥満を抑えることもわかった。
75年の食事は、ほかの年と比べて、突出してすぐれていた。その結果は、私たち研究チームに大きな興奮をもたらしたほどだ。
それらはすべて遺伝子レベルで確認できた。代謝をよくする遺伝子や、老化を抑制する遺伝子が、飛びぬけて多く発現するのだ。
私は75年型食事を、「スーパー和食」と名付けようと思う。(「はじめに」より)

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