日本文学全集 23

中上健次

日本文学全集

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出版社
河出書房新社
著者名
池澤夏樹
価格
3,080円(本体2,800円+税)
発行年月
2015年1月
判型
B6
ISBN
9784309728933

鳳仙花
半蔵の鳥
ラプラタ綺譚
不死
勝浦
鬼の話

古座
紀伊大島

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *

辺境は実は世界の中心である。熊野を舞台に、欲望・悲しみ・憤り、すなわち人間の本然を書いた作品群を再構成し、彼の小宇宙を現出する。
――池澤夏樹

【ぼくがこれを選んだ理由】
わずか一世代前、人はこんなにも奔放に生きていた。恋情も憎悪も今よりずっと強烈に作用した。今の貧血の時代に中上健次は危ないかもしれないが、だからこそ彼が読まれるべきなのだ。彼の世界への入口として、奔放な女であり強い母であるフサの物語を供する。(池澤)

望まれぬ子として生を享けた美しき少女フサは、十五の春に運命の地へと旅立つ――
三部作『岬』『枯木灘』『地の果て 至上の時』の前史となる、過酷な運命を力強く奔放に生きた母の物語「鳳仙花」。
若死にの宿業を背負う中本一統の荒くれ者達を、路地唯一の産婆オリュウノオバが幻惑的に語る『千年の愉楽』より「半蔵の鳥」「ラプラタ綺譚」。
他、虚実のあわいを描いた怪奇譚『熊野集』と、神話の源である故郷を活写したルポ『紀州』より五編を収録。
作中登場人物系図他、充実の参考資料付。

参考資料・年譜=市川真人
解説=池澤夏樹
月報=東浩紀・星野智幸

帯写真=蜷川実花

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