イスラム国テロリストが国家をつくる時

イスラム国テロリストが国家をつくる時

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出版社
文藝春秋
著者名
ロレッタ・ナポレオーニ , 村井章子
価格
1,485円(本体1,350円+税)
発行年月
2015年1月
判型
B6
ISBN
9784163902111

中東の国境線をひきなおす。

アルカイダの失敗は、アメリカというあまりに遠い敵と
第二戦線を開いたことにあった。
バグダッド大学で神学の学位をとった一人の男、バグダディは
そう考えた。
英米、ロシア、サウジ、イラン、複雑な代理戦争をくりひろげる
シリアという崩壊国家に目をつけた、そのテロリストは
国家をつくること目指した。
領土をとり、石油を確保し、経済的に自立
電力をひき、食料配給所を儲け、予防接種まで行なう。
その最終目標は、失われたイスラム国家の建設だと言う。

対テロファイナンス専門のエコノミストが放つ
まったく新しい角度からの「イスラム国」。

池上彰が渾身の解説。

はじめに 中東の地図を塗り替える

欧米の多くの専門家は「イスラム国」をタリバンと同じ時代錯誤の組織だと考えている。しかし、それは違う。彼らは、グローバル化し多極化した世界を熟知し、大国の限界を驚くべきほど明確に理解している

序章 「決算報告書」を持つテロ組織

冷戦下のテロ組織は、PLOにしてもIRAにしても、狭い領域内で正規軍に対して戦いを挑んだ。イスラム国の決定的な違いは、群雄割拠する国際情勢の間隙をついて、広大な地域を支配下においた点だ

第1章 誰が「イスラム国」を始めたのか?

「イスラム国」の起源は、ビンラディンに反旗を翻したザルカウィに始まる。「遠い敵」アメリカではなくシーア派を攻撃するその路線は、バグダッド大学でイスラム神学の学位をとった一人の知識人にうけつがれる

第2章 中東バトルロワイヤル

米ソという超大国にいきつく冷戦期の代理戦争と違い、今日の代理戦争は多岐にわたるスポンサー国家が存在する。そうした多頭型代理戦争の間隙をついたのが「イスラム国」だ。いち早く経済的自立を達成し、優位にたった

第3章 イスラエル建国と何が違うのか?

イギリス、フランスの手によって引かれた中東の国境線を消し、新しいカリフ制国家を樹立する。そうとなえる「イスラム国」は、ユダヤ人がイスラエルを建国したのと同じ文脈にあるのだろうか?

第4章 スーパーテロリストの捏造

イラクのサダム・フセインとアルカイダをつなげるために、欧米によってザルカウィの神話がでっちあげられた。十年後、後継者のバグダディは、ソシアルネットワークの力でカリフ制国家の神話を欧米の若者に信じ込ませる

第5章 建国というジハード

「イスラム国」は、カリフ制国家の建国というまったく新しい概念をジハードに持ち込んだ。それは、アメリカという遠い敵に第二戦線を開いたアルカイダ、腐敗と独裁の中東諸国の権威を一気に色あせさせたのだ

第6章 もともとは近代化をめざす思想だった

「イスラム国」がよりどころにして

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