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いったいエントロピーって何なのでしょう? 教科書には無味乾燥でとっつきにくい数式が並ぶばかりで、こうした疑問に答えてくれません。ならば、人類がどのようにして自然の中に潜むこの「怪物」を発見したのか、どのような必要に迫られ、どのようなプロセスをたどり、どのようにその姿をあぶりだしていったのかを再現し、追体験してみたら、その正体が見えてくるのではないか? これが本書の主旨です。
わかったようで、わからない――エントロピーについて、そう感じている人はとても多いようです。
「乱雑さ」のこと、と簡単に片づける見方もあれば、エネルギーと並ぶ物理学の最重要概念であり、宇宙のすべてを支配し、
私たちの運命さえも決めてしまう究極の理論、などと、やたら深遠なことを書いてある本もある――
いったいエントロピーって何なのでしょう? 教科書には無味乾燥でとっつきにくい数式が並ぶばかりで、こうした疑問に答えてくれません。
ならば、人類がどのようにして自然の中に潜むこの「怪物」を発見したのか、どのような必要に迫られ、どのようなプロセスをたどり、
どのようにその姿をあぶりだしていったのかを再現し、追体験してみたら、その正体が見えてくるのではないか? これが本書の主旨です。
実はエントロピーに悩んだのは、昔の天才たちも同じでした。あの電磁力学の祖マクスウェルさえも、最初はなかなか理解できなかったのです。
本書の主役となる3人の開拓者は、無理解と闘いながら、いかにしてエントロピーという新概念を見いだし、世界のすべてを記述する理論に育て上げ、
あらゆる科学技術へ応用する道を開いたのか――革命後、無残に没落した祖国フランスを憂える一人の青年の決意から、物語は始まります。
さあ、時代と国境を超えて、エントロピーをさがす壮大な冒険の旅に出かけましょう。
翻訳書『理系のための口頭発表術』の「イケてる」訳文が大好評を博した著者ならではの「ブルーバックス離れ」したナビゲーションも見ものです。
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