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長年にわたり工学部で数学の講義を行い学生のつまずきやすい個所を熟知している著者が,理工系学生向けにできるだけ分かりやすく執筆した複素関数の教科書あるいは入門参考書です。複素関数の微積分をスッキリ理解させるため,多くの説明図を付け,定理や公式の後に例題を数多く収録しています。例題には詳しい計算過程を書いた解答が付けてあり,学生が間違いやすい部分には注意書きで説明を加えています。例題を読んでそれに続く易しい問題を解いていけば,自然に定理の内容も理解でき自学自習できるようになっています。
第2版は,平成26年4月より高等学校の数学のカリキュラムに複素数平面が復活したことに配慮して,内容や問や演習問題を吟味し直しました。第1章を少し簡略化しましたが,高等学校の複素平面の復習も兼ねて,必要事項はすべて書いてあります。また第5章の5.3.1項に偏角の原理を,5.3.2項にルーシェの定理を新たに追加しました。5.3.1項には,分かりやすい具体的な例題を多く採用し,コンピュータによる像曲線も数多く掲載したので,偏角の原理の意味するところが直感的にも理解してもらえるものと期待しています。
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