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20世紀フランスの代表的哲学者メルロ=ポンティは、世界とは何か、自己やその生とは何か、あるいは世界と自己の原初的で根源的な関係はどのようになっているのかなど、古代ギリシア以来現在に至るまで侃々諤々の議論が絶えない哲学の根本諸問題に対して、透徹した洞察力と事象そのものに促された両義性という両立しがたい観点から他に類を見ない一貫した表現力によって接近している。本書は、存在、知覚、身体、言語、歴史、芸術、倫理などのテーマを手がかりに、彼の哲学との対話と対決の中から紡ぎ出されたものであり、テーマの多様性にもかかわらず全体的な統一性を維持しているが、それというのも全体を視野に入れながらの個別の表現こそが、哲学を科学から区別する根本的理由だからである。自然と文化、自由と必然、内在と超越、精神と物体という近代の二元論的思考への批判とその克服を企てる本書は、近現代のさまざまな哲学者との対峙においてそのことを遂行している。
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