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政治と教育は相容れないが,両者を分離することも困難である。近代国家の成立以降,国家は教育を取り込み支配しようとし,国民を自らの掌中におさめるため特定のイデオロギーを教育に注入しようとした。教育の側では教育の自由,自立,中立性などを盾に政治の支配から自己を防御しようと努めた。
本書は哲学者であり教育学者でもあったテオドール・リット(1880-1962)が歩んだ民主主義の哲学と教育学への道を辿り,民主主義とは何か,政治教育とはいかにあるべきかを考察する。リットはヴァイマル期には理性的共和主義者として,民主主義はナショナルな理念であると考えていたが,ナチズムや共産主義という全体主義の経験をへて民主主義が唯一の選択肢であると確信する。彼は民主主義とは多数の価値や意見や関心の〈差異性〉を含意する多数性であり,多領域にわたる諸自由の均衡と人格の自由を保証するもので,そのための政治教育の重要性を主張した。
リットが生涯にわたって考察した,ナショナリズムとインターナショナリズム,公民教育論,ナチズム批判,異文化との出会い,国家と暴力,民主主義と全体主義,共産主義と自由などは,今日の政治思想,政治教育思想を考えるうえで豊かな示唆を与えるに違いない。
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