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「スポーツの推進・振興」だけで、
地域スポーツを語ることができるのか?
現代のスポーツは、経済・企業原理が優先する社会と歩調を合わせて拡大・発展し、今なおその道をさらに拍車をかけて進もうとしている。
地域スポーツも、スポーツの有用性を前提とした推進・振興といった観点で語られてきた。
しかし、それに違和感を感じる人々も増えている。
地域スポーツ研究に今、求められているのは、「スポーツの限りない成長・拡大を目指すために、地域がどのように貢献するか」ではない。
地域社会の日常生活、そして、スポーツ以外のさまざまな領域と、スポーツがどのように密接な関係を築き、人々の暮らしを豊かにしていくのか。
それを改めて模索することではないだろうか?
著者は、サッカー選手・指導者であり、スポーツ社会学の研究者。
地域社会学・コミュニティ論の視点から、スポーツと地域社会の関係がどのように変化し、また変化していないのかを、地元である熊本県、大分県の各町村のフィールドワークで探っていく。
莫大な放映権料や協賛金が飛び交うスポーツと、近くの公園で目にするウォーキングとをひとくくりにして議論をしても意味をなさない。
スポーツを実践する人たちの置かれた社会状況と、そこで繰り広げられる生活。
それに即した探究で初めて、
スポーツの真の社会的な意味が見えてくる。
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