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振鈴とともにめざめがあり,めざめの中に振鈴が響きわたっているという僧堂の生活は,たんに美しいだけでもなく清らかなだけでもない。だが,五年,十年とたつうちに,耳の細かいひだにまでしみこんだ振鈴の響きが,再びもとのみずみずしい音色を取り戻すことがないであろうか。柳の緑や花の紅が突然この世のものとも思われない新鮮な輝きを放って色づくように,早暁の振鈴が不思議な階調で宇宙の全体に響きわたるときがこないであろうか。道元はそういう経験をすることのできた稀な人間のひとりであった,と私は思う。
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