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哲学が文学と引き離せないことに気づいたデリダは,哲学と文学の交差を問う,「エクリチュール(書くこと)論」から出発し,言葉がいかにして「知覚された世界」を超えた深みを与えるかを問い続けた。自明性を与えて考えることをやめさせるような概念装置を切り裂きながら,「脱構築」をはじめとする新しい思考スタイルを次々と生み出していった。パリの異邦人,哲学の異邦人デリダは,やがてそのような「異邦性」の経験こそが,普遍化可能性を求めるカントとは異なった新しい倫理の源泉であると考えるようになる。
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