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ローマ帝政の暴虐・狂態を生き,その運命を「伴侶」とし「対話」したセネカ。ローマ共和政を哲学したキケローと並ぶヨーロッパ精神史の恩人である。一六世紀には,エラスムスがセネカの本格的な著作集を刊行し,カルヴァンがセネカの『寛容について』の細密な注解書を著した。一七世紀には,コメニウスがプラトンとともにセネカを徳育のテキストにすべしと説いた。セネカは哲学者・悲劇作家・宮廷政治家であった。本書では彼を倫理思想家としてのみならずその全体像で描き,セネカの多彩で奥の深い人間性に迫る。
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