じつはよるのほんだなは

講談社の創作絵本

じつはよるのほんだなは

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出版社
講談社
著者名
澤野秋文
価格
1,540円(本体1,400円+税)
発行年月
2014年8月
判型
A4
ISBN
9784061325845

挿絵たちにとって、夜は遠慮なく遊べる楽しい時間。動物図鑑の「りす」が、木の実を探して植物図鑑に遊びに行ったり、「桃太郎」が強い仲間をほかの昔話の絵本に探しに行ったり、てんやわんや。そんな挿絵たちを見張っているのが、犬張子の「こたろう」なのですが、思わずうとうとしてしまい……。なんと、気づいた時には、ほかの本から帰ってこない迷子の挿絵たちが大量に! 朝までに元の本に戻さなくちゃ!


 本作は、第34回講談社絵本新人賞佳作を受賞した澤野秋文氏の第二作です。2013年に刊行されたデビュー作『それなら いい いえ ありますよ』は、緻密で鮮やかなイラストと、昔話のような教訓が入った見事なストーリーが好評を博し、第6回MOE絵本屋さん大賞新人賞5位を受賞、4刷まで版を重ねています。澤野氏の作品の魅力はなんといっても、その「卓越した画力」にあります。細部まで緻密に描き込まれたタッチ、映画のようにダイナミックな視点で描かれた構図など、見ごたえのある画風が特徴です。
 本作は、その澤野氏の絵の魅力が存分につまった一冊。みんなが寝静まってからの「夜の本棚」が舞台です。実は、夜中の本棚では、本の中の挿絵たちが飛び出して大騒ぎだった……というところからお話は始まります。挿絵たちにとって、夜は遠慮なく遊べる楽しい時間。動物図鑑の「りす」が、木の実を探して植物図鑑に遊びに行ったり、「桃太郎」が強い仲間をほかの昔話の絵本に探しに行ったりと、てんやわんや。そんな挿絵たちを見張っているのが、犬張子の「こたろう」なのですが、連日大忙しのこたろうは、思わずうとうとしてしまい……。なんと、気づいた時には、ほかの本から帰ってこない迷子の挿絵たちが大量に! 朝までに元の本に戻さなくちゃ! 
 今回は、おはなし仕立てで探し絵も楽しめる、澤野氏ならではの会心の一作。意外なところに意外なキャラクターが隠れていて、読みごたえも抜群です。

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