サッカーと人種差別

文春新書

サッカーと人種差別

取り寄せ不可

出版社
文藝春秋
著者名
陣野俊史
価格
825円(本体750円+税)
発行年月
2014年7月
判型
新書
ISBN
9784166609871

2014年3月8日、埼玉スタジアムで開催された浦和レッズ対サガン鳥栖戦において、浦和サポーターによって「JAPANESE ONLY」という差別的横断幕が掲げられた。Jリーグはこれに対して厳しく臨み、Jリーグ初の無観客試合という制裁を下した。

人種差別的かつ外国人嫌悪(ゼノフォビア)に基づくメッセージがスタジアムにも現れたことを受けて、サッカーをこよなく愛する文芸評論家・陣野俊史氏が緊急に書き下ろしたのが本書です。

内容は二つの柱からなっています。

一つ目は、スタジアムでこれまでどのような人種差別事件があったのか。

二つ目は、選手、クラブ、観客などサッカー界は差別とどのように闘ってきたのか。

本書は、この二つの内容を時間的には世界的な選手の移動を加速した1995年のボスマン裁定以後の20年、空間的にはサッカーの本場・ヨーロッパにしぼって詳述しています。

そこから浮かび上がるのは、アフリカ、アジアなどからの移民を受け入れてきたヨーロッパでは、今もなお、人種差別的な事件が起こり、それとの闘いも粘り強く続けられていることです。

多くの事件とその背景が選手の肉声などによって、具体的に明かされていきます。

人種差別的な言動を受けた選手たちのいたたまれない思い、尊厳を毀損された痛み、反撃できないもどかしさなども、身に迫ってくるはずです。

スタジアムで起きることは社会でも起きている、と著者は繰り返し書きます。

日本でも排外主義的な空気が高まるなか、差別を自分たちの問題として考えるための必読のテキストです。

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