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遊川迅は小学校で一番足が速い。でも、ふつうの小学生だ。ひとつ上の風春は容姿端麗、完全無欠なお兄ちゃん。それでも、ふつうの小学生だと思ってた。妖怪がわんさか家に来るようになるまでは!
「こちらでございみゃすよ」
はっとして視線を下に向けると、迅のハーフパンツのふとももの上に、子猫ぐらいの大きさの〈なにか〉がいた。
頭でっかちで、おなかがぽこんと出ていて、手足がねずみのように細くて小さい。
「な、なに? え、まさか……妖怪?」
「ご名答でございみゃすー」
*
遊川迅は小学校で一番足が速い。
でも、ふつうの小学生だ。
ひとつ上の風春は容姿端麗、完全無欠なお兄ちゃん。
それでも、ふつうの小学生だと思ってた。
妖怪がわんさか家に来るようになるまでは!
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