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障害児教育の世界に画期的な理論書が誕生した。
本書の上梓を著者らが決意した動機は、障害児教育が今日まで経験的実技レベルの教育指導にとどまってきた結果、教育現場に先の見えない混乱が続いていたからである。
著者らは長く障害児教育の実践家として活躍してきたが、いつしか教師としての自分たちの教育のあり方に疑問を持つようになった。
それは障害児教育に指針となる確固たる理論がないゆえに、自らが実践している指導方法を評価する術がなく、また指導で生じた疑問を解くための拠り所もないために、次第に行き詰っていったからであった。
これまでの経験則的な障害児教育に限界を覚え、障害児教育を正しく導いてくれる理論の必要を感じていた著者らは、学問の広い世界との出会いによって、障害児教育の理論化への道を歩むことになる。
そして艱難辛苦の幾年の後、ようやくその一般的方法論をここに確立し得、理論化の端緒に立つことができたのである。
「人間とは何か」「教育とは何か」「障害とは何か」など、障害児教育にかかわる大本を一般論として据え、そこから障害児教育の真のあり方を問う本書は、きっとかつての著者たちと同じように、障害児の教育方法に迷い悩む多くの人達の導きの糸になるであろう。
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