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第54回講談社児童文学新人賞佳作受賞作『トミエさんの真夜中ものがたり』を改題、刊行いたします。
葦原かも氏は新人ながら、同人誌等でのキャリアも長い実力派作家です。
ひとり暮らしのトミエおばあさんが夜中に出会う、ちょっと不思議な四季の物語。どこかなつかしい、ほっとするファンタジーです。
表題作「まよなかのぎゅうぎゅうネコ」(春)をはじめ、「まよなかのペンペン・ポット」(夏)、「まよなかのねむこ玉」(秋)、「まよなかのホット・タルタル」(冬)の4話による短編連作。小学中学年くらいを中心に、安心して読める本格派童話作品です。
講談社出版文化賞受賞作家の武田美穂氏による、あたたかなイラストも満載。
●あらすじ
トミエさんは、運転免許をとるために、自動車学校に通っています。孫が遊びにくるときに、車で駅まで迎えにいって、びっくりさせようとしているのです。でも、歳のせいか、あまりにも運転がうまくならないので、落ち込んでいました。
ある月のきれいな夜、トミエさんが散歩をしていると、自動車学校の明かりがすべてついて、そこだけ昼のように明るくなっています。よく目をこらすと、ネコが30ぴきほど集まって、おしゃべりをしています。トミエさんの家のミミもいます。
どうやら、ネコたちは安全にくらすために、交通ルールを勉強しているようです。ネコたちの「自動車学校」です。
トミエさんが入っていくと、実際に車をつかって勉強したいから、車を運転してほしいと、ネコたちにせがまれて……。
(「まよなかのぎゅうぎゅうネコ」)
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