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2014年6月に開催されるブラジルワールドカップ。1998年フランス大会以来、5大会連続出場となる日本代表は、本田圭祐、香川真司など本当の意味での海外トップクラブで活躍する選手を中心に「史上最強」のメンバーで挑むことになります。日本代表は過去の苦い経験を教訓として、今度こそ「すべての力を出し切る」ことができるのか――。
過去のW杯では、地元開催の利を活かしてグループリーグを突破した02年、決勝トーナメント1回戦でトルコに0-1で敗れ、2010年も苦労してグループリーグを突破しながら、パラグアイに0-0、延長・PK戦で敗れています。トルコも、パラグアイも強いチームには違いありませんが、問題は「負け方」。試合を観戦した多くの日本人は、とくにサッカーに詳しくない人ほど、「なんでシュート打たないの?」ともどかしい思いを感じたのではないでしょうか。
点をとらなければ勝てない状況でも、パスを回すばかりで、相手が迫ってくると、すぐにボールをさげてしまい、そのままタイムアップを迎える……どうしてこういうことが起こるのか。
本書は、かれこれ20年近く世界中をサッカー取材で飛び回り、スタジアムの内外で様々な経験を積み重ねてきたサッカーライターの熊崎敬さんが、その過程で出会った具体的な場面を材料に、日本サッカーの宿痾ともいえる「シュート撃たない病」の原因を探った一冊です(文庫書下ろし)。なぜ日本人はシュートを撃たないのか。そこには、社会性が高くマニュアル化に優れた日本人の民族性や社会性と深く関わっている可能性があります。
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