狩野派と遊楽図
狩野派の美と浮世を映した風俗画の饗宴
「日本美術全集」全20巻の第九回配本。江戸時代初期の美術をあつかう第12巻。織豊政権と強く結びつき、頂点を極めた画家、狩野永徳亡き後、政権の帰趨定まらないなか、狩野派の存続を賭けた戦略とは……。天下泰平の世でも守った狩野家からは、狩野派の画法を一変したという瀟洒な画風の探幽、さらには永徳の正統的な後継を自認する京都をベースに活躍した山楽・山雪が登場する。もはや一枚岩でない狩野派の画業の多様な展開を追うとともに、17世紀、徳川政権初期、人々の華やかな有り様を描いた風俗画の世界に遊びます。「洛中洛外図」「花下遊楽図」「豊国祭礼図」「四条河原遊楽図」など、泰平の世を享受する民の様子を活写した絵画の豊かさともに、岩佐又兵衛、英一蝶、久隅守景といった個性溢れる画家たちの逸品を紹介します。浮世絵誕生前夜、豊かな絵画世界をたっぷりとお見せするとともに、有田・鍋島・柿右衛門様式といったやきもの、寛文・慶長期の小袖といった工芸品、さらに二条城、日光東照宮の建築も登場します。
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