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メンデルスゾーン=バルトルディ(1809-47)が、1841年、出版社からの依頼に応じ『ベートーヴェン・(追悼)アルバム』というアンソロジーのために書いた作品。
作曲者自身によって名づけられた≪厳格な変奏曲≫には、当時数多く作曲されていた「華麗な」変奏曲とは一線を画し、バッハの≪ゴルトベルク変奏曲≫やベートーヴェンの≪ディアベリ変奏曲≫のような対位法的作曲技法や構成との接近を意図する意味が込められているように思われる。
主題と17の変奏からなり、個々の変奏はピアノ技法を駆使しさまざまな性格が強調されながら、それらが大きくまとまってひとつの曲を形成している。メンデルスゾーンは、この作品で、ベートーヴェンから受け継いだ「変奏曲」というジャンルを発展させ、後のブラームスやレーガーへと引き継いだ。
作曲者自身は付していないが演奏上有用と思われる運指法やペダル奏法などについても適宜提案が示され、また訳者による丁寧な訳注も付き、演奏者の便を図っている。
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