取り寄せ不可
頭脳、運動神経、容姿、全て完璧な喜多義孝。学園のエースが恋したのは、幼馴染の「可もなく不可もない」女子高生・宮村奈緒。喜多の激しい告白を拒んでいた奈緒だが、彼がずっと抱えていた孤独を知り、想いを受け入れる。二人が付き合い始めた矢先、喜多は自殺した少女の日記を読み、精神を侵されていき――。芥川賞作家・鹿島田真希が描く、純粋ゆえに危うい青春文学。
イケメン、秀才、野球部エースと、すべてにおいて完璧な「選ばれし」喜多義孝と、幼馴染で「可もなく不可もない」宮下奈緒。想いを告白する喜多に、平穏な学園生活を望む奈緒は冷めた態度をとるが、彼を突き放すこともできないでいた。しかし奈緒は喜多が抱えていた孤独を知り、自分が彼に恋をしていることに気付く。
ようやく付き合い始めた二人だが、奈緒は付き合う前と態度を変えず、喜多をやきもきさせるばかり。さらに十年前に自殺した少女・新田真実の日記を手にした喜多は、徐々に精神の不安定さを見せ始め――。
私は文学を高尚なものにはしたくはなくて、ドストエフスキーやバルザックのように三面記事を読んでネタにするような娯楽読みものでありたいと、この小説を書きました。――鹿島田真希
芥川賞作家・鹿島田真希が描く、世界で一番残酷な初恋の物語。
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