ロシア綿業発展の契機

ロシア綿業発展の契機

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出版社
知泉書館
著者名
塩谷昌史
価格
4,950円(本体4,500円+税)
発行年月
2014年2月
判型
A5
ISBN
9784862851796

帝政ロシアとりわけ19世紀前半におけるロシア綿業の発展を通して,ロシアの初期工業化の実態を解明する。通説では1870~80年代にロシアで産業革命が起こったとされ,ヨーロッパと比べて後発工業国と位置づけられてきたのは,ロシアの綿製品が自国での消費とアジア市場への輸出を主とし,ヨーロッパに輸出されなかった事情による。
従来のロシア史研究ではソ連邦の成立で,帝政史を否定的に見る傾向と,唯物史観によるイデオロギー的考察という要因が働き,必ずしも歴史の実態を反映しなかった。
ロシアはアジアから綿織物を輸入していたが,紡績,織布,染色の生産工程をどのように内製化して輸入代替を実現したのかを丹念に分析し,企業家や職人,新しい技術の導入などが果たした役割を明らかにする。さらにペルシア,中央アジア,清などのアジア市場では,アルメニア商人やブハラ商人,山西商人などの近隣商業圏の既存の商業ネットワークを活用するとともに,各消費地のニーズにあったデザインを工夫して時代の変化に対応していく姿を描いて,工業化の辿った足跡を見事に解明する画期的業績である。
著者は従来の経済史が生産重視であったことを省み,年周期で営まれていた遠隔地貿易の流通構造や消費者ニーズにも関心を広げ,方法的には文献史料だけではなく,自然環境と人間の関係,民俗学で開発されたモノの研究,非文字史料(写真,絵画,モノ)の活用と,さらに各地域の経済圏を越えた跨境史,そして現地体験の必要性を強調する。

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