本書は、これまでの「西洋史学」や「世界史」研究を批判的に継承しながら、新たな方向を模索する論集。
「権力」を国家権力の問題としてのみ把握するのではなく、人間集団の相互作用と国家権力との複雑な関係性においてとらえようとする視点から、権力が作動する空間の存在に光を当てる第一部「交渉する権力」。
国民国家という歴史的存在を把握するための新たな視点を打ち出すべく、ネーション・ステイトという静態から把握するのではなく、国民化し続ける国家(ナショナライジング・ステイト)という動態からとらえ、そうした「ちから」の作動形態の分析が伝統的な歴史学のあり方にも新風を送る第二部「近代国家のちから」。
世界史はたんなる国民史の総和ではなく、地域世界史の総和でもない。さまざまな連関・関係・接続を問うことは、人々の生活世界に接近したところで世界史を構想する視点になり、同時にそれを支えている結合やネットワークが形成されるさいの権力関係を明らかにすることで新たな世界史像を模索する第三部「結合とネットワーク」。
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