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台湾に半生を賭けた父…「わが祖国」振り返る娘の自伝的記録。
占領下の12年間の少女時代の想い出。敗戦による混乱の中での引き揚げ。
晩年、再び台湾に住んでみながら、人々との交流は今も続く。
「…台湾に半生を賭け、私を育ててくれた父を偲びながら、ようやく
私の深いところに根付いていた、生きることへのかすかなためらい、
それが引き起こす多分に投げやりな暮らしぶりなどが、
一気に払拭された気がしたのである。
不思議な安らぎが、全身をじんわりと包んでいく気がしていた。
遅すぎた感はあるけれど、再生の兆しみたいなものが、かすかに動き始めた。
過去と現在の境にあったおぼろな膜が消え去って、
父と取りあった手のぬくもりさえ感じる奇妙な実感があった。」(「終 乳なる祖国」より)
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