取り寄せ不可
都知事として多くの批判を浴びたために評価を下げ、2006年に74歳で没してからは顧みられることも少なくなった青島幸男。本書は彼の再評価を狙い、その人生を時代背景とともに一気に描き切る、最初の公認評伝である。青島にとって民主主義とは庶民一人一人のもの、東京の風景とは「水」と切り離せないもの。家族の証言も秘蔵写真もたっぷり収めて、青島が考え、行動した軌跡を再現。秋元康氏推薦。
「僕は青島幸男の孫弟子に当たる。
だから、青島幸男はいつも僕のずっと前にいた。
放送作家、作詞家として、追いかけるのだが、
その差はどんどん広がり、
決して追いつけない存在だと気づかされる。
わかっていましたけどね……」
(秋元康)
昭和、平成を通じて、青島幸男は、時代の節目節目に、私たちにとって
不思議に親しみ易い存在として登場してきた。
高度成長期のテレビ時代に脚本作家として。
日本が経済大国だった時期には参議院議員として。
そして、平成には都知事として。
きっと、様々な世代の人々の心象風景の中のどこかに
「青島幸男」がいるはずである。
そんな青島は、よくこう漏らしていた。
「自分には友達はいない」。
青島は特定の友達を求めず、不特定多数の庶民を友としていたわけである。
私たち庶民が青島のことを何となく親しみやすく感じるのも、
青島のこの心性があってこそだろう。
本書では、あまりに幅広く活躍した青島の活躍を追いながら、
その素顔を深く掘り下げようと試みる。
一方で、青島が友とした庶民、具体的には「東京」の人々が
見ていた風景はどのようなものだったのか。
そこで、時代を映す鏡として青島幸男の軌跡を追うだけでなく、
昭和、平成の時代を生きた私たち自身の道行きを振り返っていく。
さらに、青島の遺児である作家・青島美幸も参加。
家族から見た青島はどのような存在だったのか、
どのような苦悩を抱え、どのように振る舞っていたのか。
「おしまいチャンチャン」。
娘が初めて明かすその晩年と死が、本書の掉尾を飾る。
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