グローバリゼーションの発展(暴走)とともに、地球規模で貧困・差別の構造化が進行し、かつて人々が近代において追い求めた「社会」、「福祉」、「自由」などをめぐって、今では諸々の問題が露呈している。
本書は、19 世紀末から20 世紀初頭にかけての国家政策が、社会秩序を形成し維持しようとしたものの、そのための諸制度が未成熟であったために試行錯誤が重ねられたという時代認識に立つ。そのうえで、社会を秩序形成の現場であるとみなす視点から、近代が作られていく過程をひもとく異色の論集。
また本書は、この〈近代〉形成期に、徐々に人々の生活に入り込み、その日常を規定するようになった近代規範の具体的な形成過程を通して、そこで見えてくるもの──「国民」序列化のありよう、秩序形成と規範形成のためのポリティクス──の諸相を抉り出す。
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