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「地獄」と「極楽」を対立するものとする概念は、インド思想や一般仏教にはなく、日本独自のものである。日本人の宗教観の基層ともいえるのその考え方が日本に定着するのには、平安時代中期の僧・源信が著した『往生要集』の影響をぬきに語ることはできない。。
膨大な仏教経典や経文、論書を博捜して極楽往生に関する重要な文章を集成し念仏を勧める『往生要集』が示す浄土思想は、源流のインドの浄土教からどのように発展し、また歪曲されていったのか。
斯界の碩学が、インド仏教の原典と『往生要集』に綴られた源信の思想を徹底的に比較検討、独自の視点から日本浄土教の根源と特質に迫った、日本仏教を考えるうえで必読の一冊。
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