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"画期的な新薬を開発した日本人研究者たちの物語。新しい薬を創る「創薬」。日本人は世界に誇れる薬をいくつも送り出しているが、その事実や、開発までの舞台裏は、あまり知られていない。スタチン、エイズ治療薬、アルツハイマー病治療薬、がんの薬、免疫抑制薬、抗体医薬など、日本人研究者による、画期的な創薬は数多い。その開発までの苦闘と、創意工夫の物語。
薬の候補物質は、地中から、海洋から、そして実験室から、日々あまた生まれる。研究開発者たちが、それらをふるいにかけて選別し、ヒトにおける有効性を高めながら毒性を弱め、薬として飼い慣らす。そのために、膨大な歳月と資金が費やされ、たゆまぬ研究開発が重ねられる。こうした営みの結晶として、近年、日本人が世界に誇れる薬をいくつも送り出していることは、意外と知られていない。
薬の元となる物質を探し当てたり、物質を薬に育てあげたりした人々に会い、その思いや創意工夫を聞き出し、書き留めておかなくてはならない。そうした物語を紡ぐことを目指し、本書が生まれた。
【目次】
第1章 「殿堂入り」した創薬
1-1 スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)
第2章 化学合成と天然由来
2-1 クラビット(レボフロキサシン)
2-2 プログラフ(タクロリムス)
第3章 死病と向き合って
3-1 レトロビル(アジドチミジン:AZT)
3-2 ヴァイデックス、ハイビッド(ジダノシン、ザルシタビン:ddI,ddC)
3-3 プリジスタ(ダルナビル)
第4章 難病に光を
4-1 アリセプト(ドネペジル塩酸塩)
4-2 カンプト(イリノテカン塩酸塩)
第5章 生活習慣病に克つ
5-1 フェブリク(フェブキソスタット)
5-2 ガスター(ファモチジン)
5-3 パリエット(ラベプラゾールナトリウム)
第6章 情報伝達タンパク質を薬に
6-1 リュープリン(リュープロレリン酢酸塩)
6-2 ハンプ(カルペリチド)
6-3 インターフェロンの発見
第7章 分子を狙い撃つ抗体医薬へ
7-1 アクテムラ(トシリズマブ)
終章 日本人と創薬
解説 薬のできるまで"
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