2012年ベネズエラ大統領選挙と地方選挙

情勢分析レポート

2012年ベネズエラ大統領選挙と地方選挙

取り寄せ不可

出版社
アジア経済研究所
著者名
坂口安紀
価格
1,320円(本体1,200円+税)
発行年月
2013年8月
判型
A5
ISBN
9784258300211

2012年10月から2013年にかけて、ベネズエラでは大統領選挙をはじめ大きな選挙が続き、政治的にきわめて重要な時期を迎えた。2012年10月7日の大統領選挙、そして12月16日の州レベルでの地方選挙(州知事および州議会議員の選出)、そして翌2013年4月には市レベルの地方選挙(市長および市議会議員の選出)が予定されていた。「21世紀の社会主義」を標榜し、急進的政治経済変革を進めてきたウーゴ・チャベス・フリアス大統領(Hugo Ch?vez Fr?as)が再選を果たして政権を継続できるか否かは、ベネズエラ国内はいうまでもなく、海外からも大きな注目を集めた。しかしこの「選挙の季節」は、後に詳述するようにチャベス大統領の死去という事態によって急展開を見せ、半年後には再び大統領選挙が実施されることになったのである。
本報告のもととなった研究会は、2012年10月の大統領選挙を中心に、12月の州知事選挙も含めて、その結果と選挙に影響を与えたであろう政治社会的要因や制度的要因を分析し、今後の展望を考察することを目的に出発した。その途中でチャベス大統領の癌再発が発表されたが、政府が情報を制限したため、チャベス大統領の病状や政権復帰の見通しについて不透明な状況が3月の死去まで続いた。政府はチャベス大統領は病床にいながら職務を全うしているとの発言を繰り返した。しかしながら、政府の対応には多くの不自然さが見られたことやインフォーマルにもれてくる情報などから、政府の発表に懐疑的な見方も強く、チャベス大統領の病状はかなり深刻であるとの憶測が広まった。
このようにチャベス大統領の病状およびそれによる政治展開の展望が不透明ななか、本研究会では、10月と12月の選挙の結果や政府による公式発表を超えたインフォーマルな情報に基づく議論はできないと考えた。また、昨年の10月と12月の選挙の結果や背景に関する分析内容そのものは、チャベス大統領の癌再発以降の状況変化の影響は受けないこと、またその分析は、新たな展開および今後の展望を考察するうえでも重要な情報と視点を提供していると判断した。そのため本書は、基本的に当初の予定どおりの構成と内容で執筆することになった。ベネズエラ人研究者が担当した第2章から終章までは、翻訳の関係上それぞれ基本的には12月と1月までに執筆されている。12月の癌再発以降3月5日の死去、4月14日の大統領選挙およびマドゥロ政権誕生直後の経緯については、本章の第Ⅲ節でまとめて付記する。

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